子どもの熱中症予防・水分補給の工夫
今回は前回の「家庭でできる熱対策」に続き、子どもの熱中症予防、水分補給の工夫についてお話いたします。特に小さなお子さんは体温調節が未熟なため、大人以上に注意が必要です。
まず大切なのは、「のどが渇く前に水分をとる」習慣を身につけることです。遊びに夢中になっていると、子どもは自分の体調の変化に気づきにくく、気づいた時にはすでに軽い脱水状態になっていることもあります。外出時は30分〜1時間おきに意識的に水分をとるよう声かけをしましょう。
水分としておすすめなのは、電解質を含む経口補水液です。水やお茶は電解質を含んでおらず、摂りすぎは低血糖や低ナトリウム血症を引き起こし、けいれんや頭痛の原因となります。イオン飲料の味が合わなくて飲めないお子さんもいらっしゃいます。そのような場合、ジュースでも構いません。ただし、飲み過ぎに注意しましょう。冷たい飲み物も摂りすぎると胃腸に負担がかかることがあるので、常温〜冷たすぎない程度がベストです。
また、服装や環境の工夫も大切です。通気性の良い服装、帽子の着用、こまめな日陰での休憩、冷房の適切な利用などで体温の上昇を防ぎましょう。ベビーカー使用時は地面の照り返しで体感温度が高くなるため、特に注意が必要です。
もし、お子さんがぐったりしている、顔が赤くて汗をかいていない、吐き気や頭痛を訴えるなどの様子が見られたら、すぐに涼しい場所へ移し、医療機関にご相談ください。