水痘 (水ぼうそう) が流行しています
6月は旧暦の和風月名で「水無月 (みなづき)」と呼ばれます。一見「水が無い月」と書きますが、実際には梅雨入りの時期と重なることから、「水無月」は“水の月”という意味合いもあるとも言われています。今年は梅雨前線が消失してしまうなど、まさに「水無月」ですね。
この時期は、湿度が高く、気温も上昇しやすいため、体調を崩しやすい季節です。こうした環境の変化は、子どもたちの身体にとっても負担となるうえ、ウイルスが活動しやすくなるため、感染症の流行にも注意が必要です。
現在幼児から中学生の年齢まで流行っている、水痘 (水ぼうそう) についてお話しします。水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、特に幼児から小学校の子どもに多く見られます。かゆみや痛みを伴う小さな赤い発疹 (ポツポツ) がお尻、お腹、背中に現れます。髪の毛が生えているところにできるのも水ぼうそうの特徴です。やがてかさぶたになって自然に治りますが、感染力が非常に強く、集団生活の場では一気に広がる可能性があります。
水ぼうそうの予防には、ワクチン接種が効果的です。日本では、1歳を過ぎたら定期接種として2回の予防接種が推奨されています。接種によって重症化のリスクを大きく減らすことができ、感染拡大の防止にもつながります。当院でも接種を行っていますのでご相談下さいね。
なお、水ぼうそうにかかった場合は、すべての発疹がかさぶたになるまでは登園・登校ができません。私の経験論にはなってしまいますが、ワクチン接種をされているお子さんの方が、接種をされていないお子さんより治るまでの日にちが短い傾向にあります。
当院では、予防接種のスケジュールのご相談や、感染症への対応も丁寧に行っています。ご不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
次回は、この時期に流行がみられるもう一つの感染症「手足口病」についてお話ししたいと思います。