インフルエンザと感染予防

インフルエンザが猛威を振るっています。例年より早い流行です。予防するにはインフルエンザワクチンが有効ですが、残念ながら予防接種を受けていてもかかってしまう場合があります。普段の行動に気を付けるだけで感染症の発症リスクを下げることができます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で「3密を避ける」ことを私たちが実践したおかげで、あの時期COVID以外の感染症が激減しました。感染を防ぐための理論的な背景についてご説明します。少し堅い話ですがお付き合いください。

発症要因1. 感染経路

ウイルスや細菌は、くしゃみや便に含まれる形で伝染します。くしゃみを直接あびなければ大丈夫、というわけではありません。例えば、患者さんがウイルスを含んだくしゃみをします。その手にはウイルスが大量に付着しています。その手で公共交通機関の手すりやつり革に触ると、手すりなどにウイルスが付着します。患者さんではない人がその手すりにつかまると、手にウイルスが着き、その手で鼻をすすったりパンを手で食べたりするとウイルスが体内に取り込まれます。

ウイルスを取り込む量を減らすことができれば、発症の危険度を下げることができます。コロナの「3密」はこの点に着目していました。感染経路を遮断することは、大変有用なのです。

発症要因2. 病原微生物

ウイルス、細菌など感染症を引き起こす病原体のことを病原微生物と言います。これらを排除することで、感染経路の発生源を撲滅すれば、感染症は成立しません。哺乳瓶の消毒や、汚れた机をアルコール等で消毒することがこれにあたります。ノロウイルスなどはアルコールが効かないため、次亜塩素酸または手洗いによる排除が必要です。

発症要因3. 宿主

「宿主」は医学用語で、ウイルスを受け取ってしまったヒトのことをさします。インフルエンザが流行していても、熱を出して発症する人と症状が軽かったり、あるいは発症しない人がいるのは宿主の免疫力の違いによるものです。同じ量のウイルスを取り込んだとしても、0歳の赤ちゃんと15歳のお子さんでは免疫力に違いがあります。一般的に言って、年齢の低いお子さんの方が症状が強く出る傾向にあります。

宿主の免疫力を高める良い方法は、本ブログで何回も取り上げている「予防接種」です。インフルエンザワクチンは任意接種で、自己負担金が発生することが多いですが免疫力を高めるためにぜひ受けましょう。

当院では点鼻ワクチン「フルミスト」の接種も行っています。ご不明な点があれば、ご遠慮なくおたずねください。